マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療とは
『マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療』は、透明で薄いプラスチックでできたマウスピースを使って歯並びを改善していく、『マウスピース型矯正装置による治療』の一種です。通常の矯正治療のようにブラケットやワイヤーを使わないので、装置が見えにくいという大きなメリットがあります。
歯並びを改善したくても、「装置が目立って嫌だ」「装置が見えると仕事に差し障りがある」などの理由から、今まで治療をためらっていた方にぜひおすすめしたい装置です。
そのほかにも、自分で簡単に取り外せるので、食事や歯磨きを普段と変わらずストレスなく行なえるというメリットもあります。
当クリニックでご提供しているアラインテクノロジー社製マウスピース型矯正装置による治療には、ほかのマウスピース型矯正装置による治療とは大きく異なる特徴が2つあります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療のシステムについて

ほかのマウスピース型矯正装置による治療とはここが違う!
─『マウスピース型矯正装置(インビザライン)』の特徴─
アラインテクノロジー社製マウスピース型矯正装置による治療の特徴は、装置を開発・販売しているアメリカのアライン・テクノロジー社に、患者さまのレントゲン写真・歯型・医師による治療計画などのデータを送り、『3Dシミュレーションステム』を経てマウスピースがつくられることです。
通常のブラケットやワイヤーを使った矯正治療では、歯が移動する過程や改善後の歯並びを患者さまに事前にお見せすることができません。また、治療期間も歯科医師の経験に基づく予測となるので、患者さまに詳細にお伝えすることができません。
しかし、3D シミュレーションステムであれば、治療前から治療後まで歯がどのように変化し、どれだけ改善するのか、その動きをコンピューター画像で見られるので、治療効果を事前に患者さまにきちんとご確認いただけるのです。また、治療期間も決まるので、結婚式や就職活動などの予定が控えている場合でも、どれくらい歯並びが改善されているのか、そのときの治療の進行具合をおわかりいただけます。
このように、3Dシミュレーションを行なうマウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療であれば、ご納得いただいたうえで治療を受けていただけます。
他のマウスピース型矯正装置による治療は、2~3週間に1回歯型を採り、そのたびに新しいマウスピースをつくるという過程を繰り返して治療を進めます。そのため、治療が終わるまで何度も歯型を採る必要があります。
しかしマウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療では、歯型を採るのは最初の1回だけですみます。レントゲン写真・口腔内写真などのデータ、最初に採った歯型をもとに歯の移動をシミュレーションし、1回で目標とする歯並びになるまでのすべての装置をつくります。それにより、患者さまの負担を軽減することができます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療のメリット
- 装置が見えにくい
- 透明の薄いプラスチックでできているので、つけていてもほとんど見えません。「人目が気になるから目立つ装置をつけたくない」という理由で治療をためらっていた方におすすめです。
- 衛生管理しやすい
- ブラケットやワイヤーなど自分で取り外せない装置とは異なり、簡単に取り外して普段通り歯磨きができるので、お口の中を衛生的に保てます。装置の洗浄もできるので、衛生管理が簡単です。
- 食べるものを制限されない
- 簡単に取り外しでき、装置がない状態で食事ができます。ブラケットやワイヤーのように、食べものが絡まったり、外れたりすることがないので、好きなものを食べられて普段通り食事を楽しめます。
- お口のトラブルが起きにくい
- ブラケットやワイヤーは、粘膜に当たって痛みや口内炎などのトラブルが起きがちです。しかしこの装置はお口の粘膜に当たる心配がないので、スポーツなども楽しめます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療のデメリット
- 装着時間を守らないと治療結果に影響する
- 簡単に取り外せるというメリットがありますが、1日20時間以上つけていないと歯が計画通りに動かず、目標とする歯並びを実現できません。そのため、しっかりと自己管理して決められた装着時間を守る必要があります。取り外せるからといって、外している時間が長くならないようにしましょう。
- 症例によっては治療できない
- 装着していても見えにくいというメリットがありますが、症例によっては、ほかの装置の方が目標とする歯並びを実現しやすいこともあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン)での治療が可能かどうかは、実際に診察してからでないとお伝えできませんので、この装置で治療を受けたいという方はぜひご相談ください。
『口腔内3D光学スキャナー』
これまでのようなシリコンによる歯型採取ではなく口腔内を光学スキャニングするため、不快な思いをすることなく短時間でより精密な歯型を採ることができます。また、スキャニングの結果はすぐにその場で画面にて確認することができます。そのため、歯型模型の作り直しや再度来院していただく必要はありません。データをすぐに送信することができるため、3Dシミュレーションもより早くご確認いただけます。

治療の流れ
お口の状態を拝見し、装置の種類や特徴、おおよその治療期間・治療費、治療の流れなどをわかりやすくご説明します。
疑問や不安などがありましたらお気軽にお話しください。
レントゲン写真撮影や口腔内写真撮影を行ない、口腔内3D光学スキャナーまたはPVS(アラインテクノロジー社製マウスピース型矯正装置用の歯型を採るためのシリコン印象材)により歯型を採ります。それらをもとに治療計画を作成します。
アメリカのアライン・テクノロジー社に、治療計画、患者さまのレントゲン写真・歯型などのデータを送ります。同社がクリンチェックという3Dシミュレーションを行ない、患者さま一人ひとりに合った3D治療計画を作成します。この3D治療計画により、治療完了後の歯並びや治療完了の時期などが確認できます。
同社の作成した3D治療計画が担当の歯科医師に承認されると、治療完了までに必要なマウスピースがまとめて作製され、クリニックに送られます。
マウスピースを患者さまにお渡しするので、毎日20時間以上マウスピースをつけていただき、2週間に1回、次の段階のマウスピースへと交換していただきます。約6〜8週間に1回通院していただき、治療の進行具合を確認します。
治療が終わって目標の歯並びになっても、半年から1年ほどは後戻り(歯がもとの場所に戻ろうと動くこと)しやすくなります。
後戻りを防いできれいになった歯並びを安定させるためには、リテーナー(保定装置)をつけて保定する必要があります。
患者さまによって異なりますが、保定期間は約1~2年となります。
薬機法未承認の装置、材料および海外加工物に関して
インビザラインは完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。