歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療とは
患者さまの歯並びによっては、矯正装置のみで正しい位置へと動かしていくことが困難な場合があります。その場合、顎の骨にスクリューやプレートを埋め入れて固定し、歯を引っ張って動かしていく「歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療」という治療方法があります。歯の移動がスムーズで適切にコントロールできるため、治療後の仕上がり・精度が向上するだけでなく、治療期間が短くなります。埋め入れたスクリュー・プレートは、矯正治療のための一時的なものですので、治療完了後に撤去します。主に、裏側矯正・表側矯正と併用して治療を行なっていきます。

メリット
- 歯を抜かずに治療ができる
- 矯正用インプラントによる治療では、大幅な歯の移動が可能です。そのため、スペースを空けるために必要だった「抜歯」をせずに治療ができる方が格段に増えました。
- 歯の圧下が可能
- 噛み合わせを調整する際、歯の圧下(歯を顎の骨の方へ押し込んで、高さを抑える)が必要な場合があります。とくに通常の矯正治療では難しい奥歯の圧下が可能となり、仕上がりの精度も向上します。
- 治療期間の短縮
- 歯列全体に装置をつけ、微調整を繰り返して歯を動かすのではなく、矯正用インプラントという固定源が歯を引っ張るので、スムーズに歯を動かすことができます。そのため、従来の治療に比べ、短い期間で無理のない矯正治療ができます。
デメリット
・矯正用のインプラントを埋め入れる外科手術と、それを除去する処置が必要です
・基本的に成人の方のみの適応となります
・インプラントを埋め入れた部分を清潔に保たないと、感染を起こす可能性があります
歯と歯の間に歯科矯正用のアンカースクリューを埋め入れて固定源とし、歯を移動させます。使用するのは、主に長さ8mm程度の純チタンでできた小さなスクリューです。ごく少量の麻酔をするだけで、痛みもなく2~3分でつけることができます。手術後もほとんど痛みはありません。
2cm程度のチタンプレートを顎の骨に固定して使用します。スクリュータイプより強力な固定源になるため、歯列全体の後方移動や圧下ができます。麻酔下で歯肉を切開して、プレートをスクリューで固定します。手術時間は1枚あたり15~20分くらいです。
外科矯正
見た目だけでなく、骨格の問題でよく噛めないなど「歯の機能」に差し障りがある場合、通常の矯正治療と外科手術を併用することで、正しい歯並び・噛み合わせに誘導していく治療方法を外科矯正といいます。外科矯正が必要な症状とは、上顎と下顎の骨の位置や形・大きさなどが原因で、受け口や出っ歯、顔の歪みなどが生じている状態のことです。

外科矯正が必要で、保険が適用される指定の症状があること、そしてその治療が行なえる施設として国または市町村から認可されている施設にて治療を受けることが、保険適用の条件となります。
保険が適用となる症状
・生まれながらにして異常が見られる先天異常のうち、厚生労働大臣が定める23種類の疾患(口唇口蓋裂など)に該当した場合
・顎変形症で指定の症状と診断され、外科的な矯正治療(顎の骨を切る手術)が必要な場合
外科矯正を保険適用で行なえるのは、国または市町村から「自立支援法(育成・更正)医療機関」および「顎口腔機能診断施設」として認可を受けている医療機関のみです。みよし矯正クリニックは千葉市より認可を受けておりますので、該当する患者さまに対し保険適用の外科矯正治療をご案内させていただきます。
- 障害者自立支援法医療機関
- 身体上の障害を軽減し、日常生活を容易にするための治療が行なえる医療機関として、厚生労働省が設けた基準を満たしている医療機関のことです。
- 顎口腔機能診断施設
- 国指定の検査診断機器が導入されていること、歯科医師・歯科衛生士の規定人数配置・他医療期間との連携ができる体制であることなど「顎口腔機能診断施設」として、厚生労働省が設けた基準を満たしている施設のことです。
- 厚生労働大臣が定める先天性異常疾患
- 国の定める先天性異常疾患が認められる場合、健康保険が適用となります。保険適用となる疾患かどうかは事前に診査が必要ですので、まずはお問い合わせください。